石田徹也の描く、不条理の世界は若者ばかりではなく、誰でも生涯持ち続ける分からないことへの不安や恐れを表現しているようだ。
ロックバンド”イースタンユース”のエレキと歌担当の吉野寿氏が、石田の「兵士」という作品について次のようにその感想を述べていたのが、特に印象に残った。
「サラリーマンが背広を着て傘を銃に見立てて、負傷して隠れているわけですよね。団地の中庭みたいなところに。死なないためにはなんとか戦わなければいけないわけですよ。でも、武器が何なのかも分からないし、敵が誰なのかもそもそも分からないし、生まれてきて訳もわからずやれやれと言われて生きてきたけど、戦っているけど、何で戦っているのか分からないし、何で傷ついているのかも分からないけど、とにかく戦わざるを得ないというような、その社会との距離のとり方、取りづらさ、というか、取れなさというか、そういうものに反応したんじゃないですかね。
あーみんな感じていることなのかもしれないけど、それをこういう風に表現することは出来なかった。」