20代で家を出て、40代で書を飛び越え、心に響く美術を自ら引き出す桃光さん
早くに自分を見抜き、父親の遺言も無視して書で身を立てたかと思えば、書ですら自らを現すには足りないと抽象的なものを描き、そして40代でニューヨークに渡った…。
その描くものは自分が世界を見つめ、浮かび上がってくる事象なのでしょう。
花の命は短いけれど、それでも私は種を植えた。この詩をバレエの公演を観た際に感じた書にも、小さな桜を見つめて出てくる言葉からも、それを感じました。
人とは、無に帰る存在。だから消え行く中で浮かび上がるものを記して行こうという心は本来みんなに備わっていて、それを桃光さんは書で現してくれれいるのだろう、と思いました。