戦後日本建築史を一望する好番組。
たとえば池袋のサンシャインシティは、オフィスだけだはなく、水族館や博物館やホテルも併設し、あたかも都市という海の中の島のように、様々な機能をパッケージした先駆けだったという。
今は何だか当たり前になってしまい、どちらというと古さすら感じさせる。
理想や理念を持ち、一度は輝いて見えるが、時代や人の心の変化は素早く、いつしか色あせて見えるようになる。
それは世の常で仕方のない事かもしれない。
しかし一方で、新陳代謝をコンセプトにして、各部屋を古くなったら付け替えられるようにしたビルが、実際には一度も付け替えられず、そのままの姿で愛され、使われ続ける。
あるいは、いったんは廃れてしまったハウステンボスが、見事に再生を果たす。
建物は、建物だけでなく、人によって愛され、使われる事で、生き続ける。
使われ、愛されるためには、理念とか理想が必要で、要は、本物でなくてはいけない。
たぶん理念や理想はそのままでは通じなくなるのだろうが、それはそれで構わない。
…と、そんな事を色々と考えさせられました。